1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
粗大運動能力尺度(gross motor function measure:GMFM)
濱岸 利夫
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1中部学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
pp.425
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106288
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粗大運動能力尺度(gross motor function measure:GMFM)は,1988年にRusselらにより脳性麻痺(cerebral palsy:CP)児の運動機能レベルを正常な発達基準と比較するための評価として考案・開発された.その後,欧米においてCP児を評価する際には一般的に使用されるようになった.
2000年,本尺度は近藤らにより日本に導入され,『GMFM粗大運動能力尺度―脳性麻痺児のための評価的尺度』が出版された1).導入前,子どもの理学療法評価で使用されていた運動年齢検査(motor age test:MAT)では,動作が「可能」あるいは「不可能」でしか表記できなかった.導入後はCP児の粗大運動機能を量的・質的に評価できるようになり,運動機能レベルや時間的変化を客観的に検出可能となった.評価尺度は,5歳児が可能な88項目の運動課題達成度を観察・判定する.88項目はA:臥位と寝返り(17項目),B:座位(20項目),C:四つ這いと膝立ち(14項目),D:立位(13項目),E:歩行・走行とジャンプ(24項目)の5領域に分類.採点は各項目ともに0(=まったくできない),1(=少しだけできる),2(=部分的にできる),3(=完全にできる)の4段階のLikert Scaleを用いて行い,総合点を算出する.
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