入門講座 統計学入門・2
2群の比較
松葉 潤治
1,2
Junji Matsuba
1,2
1帝京科学大学医療科学部東京理学療法学科
2国立保健医療科学院生物統計分野
pp.137-144
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106199
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はじめに
統計学においてデータをとるのは,未知であるものに対し,何らかの知見(推論)を得たいからです.つまり,統計学の背景には常に未知なものが存在しているということになります.取られたデータの背景に母集団を想定し,データは母集団から無作為(ランダム)に抽出された標本だと考えるわけです.そして,データ(母集団の一部)から母集団全体の様子を推定することになります(図1).
例えば,2つの筋力トレーニング法に筋力増強効果の差があるかという2群の比較をしたいとします.両群の比較のために両者の差を調べる統計学的検定を行います.このとき,データそのものを比較しているわけではなく,その背景にある母集団の様子を推定して比較をしていることになります.
本稿では,可能な限りわかりやすく書くことを心がけました.そのため,厳密には不正確な表現となっている部分があることをあらかじめお断りします.
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