特集 超高齢者の骨・関節疾患の理学療法
超高齢者の大腿骨頸部骨折手術後の理学療法
盆子原 秀三
1
,
梶原 一
2
Bonkohara Shuzo
1
1江東病院リハビリテーション室
2江東病院整形外科
pp.843-848
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106154
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はじめに
高齢者化社会にあるわが国では,年々不意の転倒による大腿骨頸部骨折患者が増加しつつある1).対象患者の平均年齢もそれに伴い上昇し,今回のテーマである90歳以上の超高齢者の大腿骨頸部骨折患者にもしばしば遭遇するようになった.
近年,高齢者における大腿骨頸部骨折に対しては,長期臥床による合併症の防止を目的として,術後早期より荷重歩行を積極的に行い,早期歩行能力の獲得を目指す傾向にある2).また,クリニカルパスの導入による円滑な医療が求められつつある.しかしながら年齢が高くなるにつれて,受傷前の歩行自立の割合は減少し,また,全身的合併症を伴う症例も多く,慎重な対応が求められる.
今回,超高齢者,特に90歳以上の大腿骨頸部骨折患者の症例を通して理学療法プロセスにおける留意点について述べたい.
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