報告
自転車エルゴメトリーにおける呼吸循環反応に対するハンドル把持高の違いの影響
佐々木 智幸
1
,
佐々木 誠
2
Sasaki Tomoyuki
1
1公立築館病院理学療法部
2仙台医療技術専門学校理学療法学科
pp.287-291
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106025
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はじめに
運度負荷試験において運動負荷量を設定するための機材として,トレッドミルや自転車エルゴメーターなどが広く用いられている.トレッドミルによる一般的な運動負荷試験では,傾斜と速度で運動負荷量を規定し歩行や走行といった運動を実施するため,測定器材による差異や運動姿勢への配慮は比較的少なくて済むと考えられている.しかし,自転車エルゴメトリーには種々の形状があり,ペダルのクランク長がパワー出力に影響を与えること1,2),サドルの高さやサドルシャフトの傾斜が運動負荷時の生体反応に影響を与えること3)が知られていることから,運動姿勢への配慮が必要と考える.
自転車エルゴメトリーの測定値の普遍性を保証するために,エルゴメーターの構造の統一,測定条件の統一が呼びかけられている4)一方で,多くのタイプの自転車エルゴメーターが普及している現状を考慮すると,運動姿勢の影響を検討していくことのほうが現実的と考えられる.ペダリング回数やサドル高などの基準4)があり,クランク長1,2)やサドルの高さ・傾斜3)の影響については検討されているものの,ハンドルの把持高の影響については明確にされていない.
そこで今回我々は,自転車エルゴメーターによる運動負荷時のハンドル把持高の影響について考察するために,異なるハンドル把持高を設定し,その際の呼吸循環反応を検討し,若干の知見を得たので報告する.
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