隋筆
緑の自転車
矢口 光子
1
1農林省生活改善課
pp.27-30
発行日 1952年8月10日
Published Date 1952/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200336
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農家のお嫁さんの話
皆樣のなかには,農村出身の方もいらつしやることと思いますが,戰後,日本の農村の新しい風景として緑の自転車が銀輪を光らせてはしつていることがあげられます。この緑の自転車には,農業改良普及員や,生活改良普及員がのつております。今,日本には一万二千人の農業改良普及員と一千二十余名の生活改良普及員がおります。
それでは何故,農業改良の普及事業が必要になつてきたかと申しますと,まず敗戰によつて狭くなつた土地に,九千万に近い人口をもち,その人口が必要とする食糧の絶対量が自給自足されねばならない。つまり農業においてその食糧の生産をひきうけなければならない。そういつた意味で狭い限られた土地から,農作物の増産が必要となつてくるのであります。それには土地改良,開拓品種改良,機械化,電力化農法,肥料薬品の技術導入,等々の営農改善がどうしても必要になつてきます。以上のような営農面の改良普及は,農業改良普及員が受けもつております。
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