特集 介護保険制度下のリハビリテーション
ケアマネージメントとリハビリテーションスタッフ
金指 巌
1
Kanazashi Iwao
1
1松山市保健所地域保健課
pp.149-154
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105995
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はじめに
介護が必要な高齢者が在宅で生活していくためには,さまざまなサービスや支援がなければ生活できないことはいうまでもない.まして利用者本人が自分で自立した生活を送ることが困難な高齢者であればなおのこと,現在どのようなサービスが存在し,自分にとってどのサービスが適しているかを理解し利用するサービスを選択し,利用の手続きまで行える高齢者はほとんどいないであろうし,その家族を含めても必要なサービスの利用まで行きつけるケースは非常に少ないことは容易に想像できる.
このような状況下で,多様な介護サービスのなかから必要な社会資源を利用者の周囲に集め,サービス提供を行っていくためには,利用者各人のニーズを把握し,効果的なサービス利用につなげる役割を担う人間が必要になり,その専門職として「ケアマネージャー」が必要となり,その手法として「ケアマネージメント」が提案されたといえる.
しかし,ケアマネージメントを担う専門職として新たに制度化されたケアマネージャーであるが,その職種や経験,個々の知識や能力等,質的な格差を指摘されており,必ずしも制度の趣旨にあった働きがなされているかどうか疑問を呈さざるを得ない.
本稿では,まず介護保険制度におけるケアマネージメントの基本的な考え方と,在宅リハビリテーション(以下リハ)サービスの状況について述べ,現在のケアマネージメントの問題点と我々リハスタッフの関わりや,在宅のリハサービス自体の問題点等について論を進めて行きたい.
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