特集 理学療法の効果判定
筋スパズムに対する理学療法効果と判定
増本 正太郎
1
Masumoto Shotaro
1
1茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科
pp.865-870
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105938
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はじめに
理学療法士は筋・筋膜痛等を訴える患者に臨床場面で遭遇した場合,筋スパズムを意識する,しないにせよ,緊張が亢進した筋や筋膜組織の深さと広がりを触診して筋名を同定,筋を栄養する血管など循環組織,同筋を支配する末梢神経,神経根が延びる髄節レベル,椎間関節や仙腸関節の関節可動性にまで意識が及ぶことだろう.
筋スパズムに対する緩和療法には,抗痙攣剤・抗炎鎮痛剤やパップ剤のほか温熱・寒冷,経皮的電気刺激(Transcutaneous Eelectrical Nerve Stimulation,以下TENS)といった物理療法,筋電バイオフィードバック療法,マッサージや関節機能不全に対するモビリゼーションなど徒手療法,ストレッチをはじめとした運動療法などがある.ただ,筋スパズムを現象として確実に捉えて理学療法効果を報告した研究論文はわずかしかない.本稿では筋スパズムに対する治療効果判定に関する課題と踏まえるべきポイントを中心に解説したい.
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