入門講座 筋力と身体諸機能・2
筋力と動作能力
沖田 一彦
1
,
菅原 憲一
1
,
辻下 守弘
1
,
鶴見 隆正
1
Okita Kazuhiko
1
1広島県立保健福祉短期大学理学療法学科
pp.757-763
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105156
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Ⅰ.はじめに
筋力が,動作を遂行するための重要な因子であることはいうまでもない.それゆえ,理学療法の分野では,これまでに筋力と動作能力との関連が,さまざまな形で調査・検討されてきた.
理学療法の大きな目標の1つが,患者の基本動作の獲得・正常化にあるならば,それらの研究の目的は,最終的には,筋力増強に関する効果的・効率的な訓練方法の確立にあるといっても過言ではない.しかしながら,筋力だけが動作を規定する因子ではない1)ことを考えれば,筋力と動作能力の関係は,訓練方法の選択・開発の意味からも,慎重に検討されなければならない.
そこで本稿では,基本動作における筋力の位置づけについて,これまでの研究をもとに,評価・治療の両面から解説したうえで,この重要なテーマに内包される問題点と今後の課題について考えてみたい.
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