入門講座 検査測定/評価・3
筋力
浦辺 幸夫
1
1広島大学大学院保健学研究科心身機能生活制御科学講座スポーツリハビリテーション学研究室
pp.753-765
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101027
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はじめに
理学療法士の職場,対象,扱う疾患は多岐にわたっている.そのなかで,漠然と「理学療法」を行うのではなく,客観的な「効果」を提示していくことが不可欠である.対象者の状態を適正に「評価」することの重要性は論をまたない.本稿で扱う「筋力(muscle strength)評価」の内容については,骨,靱帯,腱,筋という個々の身体組織から,関節という構造体の構成,そしてその構造体を「運動」させていくことを総合的に含んでいる.筋力の評価は,理学療法を進めるにあたり相当に重要な位置付けにあることが理解できるだろう.
本稿では,筋力に関する評価をどのように行っていくか,できるだけ現実の問題と関係させ,いくつかの側面から論じてみたい.筋力測定については理学療法評価学に関する書物に詳しいので,基礎的な知識に加えて読んでいただければ,一層理解が増すのではないかと考える.また,筋力の評価は理学療法処方にも直接関わり,それが理学療法の成否にも関係するため,運動療法で行われている筋力強化運動(muscle strengthening exercise)と筋力評価を結びつけて考えることも必要であろう.
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