短報
在宅高齢者と施設居住高齢者のピンチ力に関する比較研究
武富 由雄
1
,
村木 敏明
2
,
淵上 登子
3
,
仲島 美智代
4
Taketomi Yoshio
1
1医療法人愛仁会理学診療科病院
2神戸大学医学部保健学科
3大阪市東淀川区老人福祉センター
4高殿苑特別養護老人ホーム
pp.699-701
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105139
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はじめに
手の把持動作の基本となるのは「にぎり」(grip)と「つまみ」(pinch)である.Kamakuraら1)は健常者を対象に種々の物品をテーブルから取り上げる手指動作を撮影し,「つまみ」には,pulp pinch,lateral pinch,fivefinger pinch,tripod pinchなどと呼ばれるピンチ・パターンがあり,そのうちのlateral pinchは日常生活を送るうえに必要な洗濯や食器洗い,整理,掃除で頻繁に用いられる.今までピンチカに関して整容動作,更衣動作などの関係や性別と加齢の観点から結果を示した研究や年代別の標準値に関する研究などはあるが,生活環境の観点から高齢者のlateral pinch力の比較についての研究は見あたらない.
そこで今回,日常生活が自立している在宅高齢者(以下在宅群)と特別養護老人ホームに居住する高齢者(以下施設群)の2群を対象に,両群の利き手指のlateral pinch力を比較検討し,知見を得たので報告する.
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