特集 高齢者「主治医」事典
【多死社会と主治医】
居住施設における終末期
福間 誠之
1
1特別養護老人ホーム洛和ヴィラ桃山医務室
キーワード:
特養
,
重度化加算
,
家族の同意
,
看取り
,
死亡診断書
Keyword:
特養
,
重度化加算
,
家族の同意
,
看取り
,
死亡診断書
pp.868-870
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103000
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Case
入院精査を希望せずに施設で看取った事例
患者:87歳,女性.
病名:脳梗塞(左片麻痺),慢性呼吸不全,喘息,ネフローゼ症候群.
経過:5年前に特養に入所.入所後,喘息発作がひどくなり,チアノーゼがみられ,2回入院したことがあったが,最後に両下肢の浮腫が強くなり,入院してネフローゼ症候群の診断を受けた.本人および家族はそれ以上の侵襲的な検査や治療を希望せず,中心静脈栄養も中止して施設に戻ってきた.施設では点滴注射はせず,経口的にわずかであったが食事をするようにし,家族に車椅子を押してもらい施設周辺を散歩し,入浴もして,退院1カ月後に,娘や孫が10人ほどベッドの周りを囲むなか,苦しむことなく静かに息を引き取った.
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