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編集後記
網本 和
pp.224
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105040
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先日首都圏では記録的な大雪に見舞われ(といっても雪国の方からみればほんのわずか),成人式と重なって晴れ着に長靴というシーンが放映されたので,交通機関の大混乱と共にご記憶の方も多いのではないでしょうか.私たちにとっての問題はその翌日の,転倒による患者さんの急増でした.
特集ではこの転倒が取り上げられています.五十嵐論文の,「痴呆,骨粗鬆症,歩行能力の低下」に加え,「些細な機転」で転倒骨折が起こるという指摘はそのデータの豊富さゆえに私たちを覚醒させるでしょう.久保論文では姿勢変換に関わる坐位バランスの評価の重要性が述べられ,萩原論文では早期の筋力強化の必要性が強調されています.松本論文では,中心性頸髄損傷の具体的な臨床経過が示され,池田論文では疾呆合併例の理学療法についての工夫が呈示されています.いずれも本特集の趣旨である「積極的な理学療法の関わり」を表現し得るものとなっています.
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