特集 理学療法の展望
21世紀の理学療法―私はこう考える
楽しい仕事をしてみませんか
一ノ宮 孝司
1
Ichinomiya Koji
1
1愛媛県中山町保健福祉課
pp.909-910
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104939
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「とうとう専門性を捨てるのか?」と親しい理学療法士仲間にいわれた.昨年4月,長い病院勤務から市町村へ転職した時のことである大論争になったが,私の仕事への意欲高揚のためには,十分意義ある出来事だった.
この1年半,私は《地域活動は,十分な実態把握にふまえた実践の積み上げと啓蒙教育につきる》の考えのもと,在宅訪問を中心にすえながら以下のことを実践してきた.手すり付りやスロープ作りおよび作業療法等は自力で行い,家屋の増改築・新築へは青写真の段階から参加した.老人クラブや婦人会等への健康講話は,QOL向上にむけた生きがい論議を含め2時間講話を52回実施した.講話は「笑って分かつてOK」をモットーにした.小・中学校ではゲーム感覚での障害者体験をし,今,就学問題での母子対策とターミナルケアを行っている.今後は職業病対策として事業所訪問も計画している.これらの活動は,先進的な自治体である大東市の働きの万分の一以下の意義しかないが,しかし方向性は間違っていないと思いたい.
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