報告
老人保健施設における理学療法実施期間についての検討―基本動作改善変化からみて
西田 宗幹
1
,
植松 光俊
1
,
頼金 幹人
1
,
金澤 寿久
2
Nishida Muneyoshi
1
1秋津鴻池病院リハビリテーション部
2丸茂病院リハビリテーション科
pp.203-207
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104740
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はじめに
老人保健施設(以下,老健施設)は,中間施設という点より,入所期間は病院での入院期間と同様,極力6か月以内に止めるようにする傾向がある.6か月以上にわたる長期施設滞在については,家族側の患者受け入れ姿勢の問題や患者の能力受容の悪化等,さまざまな問題を抱えている.しかし,傳ら1)は,発症から6か月以上経過してから転入院してきた脳卒中患者でも改善をみる者もいるとしているし,永原2)や勝木ら3)も,高齢脳卒中患者では長期的な継続訓練で改善をみせる症例があることを報告している.我々も,老健施設の高齢障害者に対して6か月以上の長期的な継続訓練を行ったあとADL能力が改善する例をよく経験している.早期リハに関する報告4-7)は非常に多くあるが,高齢障害者の長期訓練に関する報告は少なく,特に老健施設における長期訓練の効果についての報告は見当たらない.
今回,当院併設の老健施設「鴻池荘」の全入所者を対象に,長期の訓練を行ったあと能力改善がみられた者の占める比率,更にどの基本動作にどのような改善が認められたのかを調査し,高齢障害者に対する理学療法(以下,PT)実施期間,理学療法の意義等について検討を試みたので報告する.
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