とびら
ある新聞記事より
古谷 逸夫
1
1大阪市立大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.79
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104707
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ある新聞の医療に関する連載シリーズの記事のなかで,当院で行っている股関節に対する運動療法が紹介された.過去の経験からもある程度は覚悟していたが,翌日より電話の洪水である.1日に10数本もの問い合わせがあり,電話交換からも苦情が来る始末である.こちら側にとっても業務がしばしば中断され,まさにパニックであった.これらの問い合わせを17時以降にお願いするということで,とりあえずの混乱は回避して,じっくりと話しを伺う体制をとった.
問い合わせの内容は運動療法のパンフレットの要求と受診を希望するものがほとんどであったが,それぞれの方から病歴と現在の状況についての説明を聞くことができた.その話しのなかからは,股関節に障害をもつ方々の人生が見えてきた.例えば,学童期の子どもに対する母親の将来への不安,結婚を控えた適齢期女性の不安,進学や結婚を控えた子どもをもつ母親の入院時期についての迷い等々である.
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