入門講座 苦労する科目の教育実践・6
理学療法学研究法/職場管理論 私の「理学療法学研究法」講義ノート/職場管理論
乾 公美
1
,
濱出 茂治
2
Inui Kimiharu
1
,
Hamade Shigeharu
2
1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
2金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.423-431
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104565
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Ⅰ.はじめに
平成元年度に行われた「理学療法士作業療法士養成施設指導要領」の一部改正に伴い,本学の前身である札幌医科大学衛生短期大学部では,平成2年度入学生より3学年前期に「理学療法研究法」(30時間)が開講されるようになった.以来,筆者がこの科目の15時間分を担当し,残りを理学療法学科の教員全員が少数の学生を分担して研究活動の実践を指導し,卒業研究報告集にまとめてきた.
4年制大学になった現在も,「理学療法研究法」は「理学療法学研究法」(30時間)として3学年後期に開講され,関連科目として新たに「理学療法研究セミナー」(60時間)と「卒業論文」(60時間)が開設され,4学年を対象に教授される.「理学療法研究セミナー」は学生が3学年になったとき,担当教員が決められ,それぞれの教員が時間の余裕をみつけて2~3名程度の学生の指導を行っている.
さて,「理学療法学研究法」は,筆者が担当する教科目のなかで講義しにくい科目の1つである.その理由を問われると答えに窮してしまうが,多分それは,筆者に「研究法」なるものを教授するに相応しいキャリアがあるかどうか,自身で疑わしいからである.どのような科目にせよ,それに精通し十分な学識と経験を備えた者が教授しなければ学生を納得させられないし,教えた者も後ろめたさが残ってしまう.このようなことは是非とも避けたいことである.そこで筆者の「理学療法学研究法」講義ノートを開示して先輩諸氏のご批評を仰ぎたいと考えて,本稿の執筆を承諾したことを最初にお断りしておきたい.
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