特集 職場の健康づくり
職場の衛生管理
中明 賢二
1,2
Kenji NAKAAKI
1,2
1労働科学研究所
2労働衛生・病理学研究部
pp.449-453
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207966
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■はじめに
職場の衛生管理を進めるうえで大切なことは,職場で行われている作業を十分に把握することと,それに関連して生じる健康阻害因子の洗い出し,とりわけ職業性疾病や中毒の早期発見にある.そのために,例えば,物を作る過程で使用する種々の有害化学物質,あるいは騒音,振動,温熱条件さらには作業方法,作業姿勢,作業条件といった様々な条件についての測定・評価が行われ,作業者の健康影響とのかかわりが検討される.そのためには作業場環境の測定,定期的あるいは作業に対応した特殊健康診断が行われる.生産現場を中心として行われてきた衛生管理の主力がここにあったことは事実だし,これからもその傾向は続くものと考える.
一方,産業構造が第2次産業から第3次産業へと進むなかで,労働の場では,労働の質の変化が確実に進行しており,肉体労働から頭脳労働へとその比重が移ってきている.
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