クリニカル・ヒント
整形疾患に対する筋力の評価ならびに強化法の再考―変形性股関節症を中心に
佐藤 房郎
1
1神奈川リハビリテーション病院
pp.63-65
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104466
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1.はじめに
整形疾患に対する理学療法の多くは,ROM回復訓練や筋力増強訓練に時間が費やされるといっても過言ではない.中でも筋力増強については,中枢疾患と異なり患者の理解力に問題がないため,自己管理の下に自動運動や錘りなどによる抵抗自動運動が指導されていることが多く見受けられる.しかし,ROM制限や疼痛の問題を合併している場合,目的とする筋の強化は決して容易ではない.
多くの患者は,患肢を何とかして動かそうとするため代償動作だけが出現しやすく,放置されれば代償動作が強化されてしまう.患者自身の「できるだけ大きく強く動けばよい」といった認識も考えられるが,理学療法士の指導法にも問題があるのではないだろうか.そこで整形疾患に対する筋力評価や筋力増強について,変形性股関節症を例に再考してみる.
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