Japanese
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特集 脳外傷
脳外傷の症例報告―機能低下をみた症例
Traumatic Brain Injury: Case Report: Case with Functional Decline
加藤 祝也
1
,
佐藤 昌代
1
,
渋谷 健一郎
1
Sakiya KATO
1
,
Masayo SATO
1
,
Kenichiro SHIBUYA
1
1獨協医科大学病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Dokkyo University School of Medicine.
pp.817-822
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104144
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Ⅰ.初めに
脳外傷のリハビリテーションは,その病態の多様性から困難を伴い,しかも脳外傷患者の発生が若年齢層に多いことが社会上大きな問題となっている.脳外傷のリハビリテーションについて大橋1)は本邦と米国との比較を報告し,水落2)はニューヨーク大学Head Trauma Programについて紹介し,脳外傷患者の遭遇する困難な状況と対策について述べている.
脳外傷患者の多くは適切な初期治療とリハビリテーションによって身体機能面では良好な回復をみせるが,社会復帰には認知機能障害や記憶障害などの高次脳機能障害が大きな阻害因子となっている.また,残念ながら受傷直後より機能回復がみられない者や,経時的に機能低下を来す者も存在している.
本稿では,経過中に機能低下がみられた症例を呈示し,脳外傷患者の機能訓練に携わる諸兄から多くの御意見,御批判を仰ぎたい.
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