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特集 Ⅰ.中途視覚障害
視覚障害者からみた屋外行動の疎外要因と視覚障害者の誘導方法
Physical Therapy for people with Newly Acquired Visually Disabled: Difficulties in Outdoor Activities by People with Visually Disabled and Ways of Assistance to Them
藤本 善一
1,2
Zen-ichi FUJIMOTO
1,2
1国立療養所長崎病院相談室
2長崎視覚障害を考える会
1Counseling Room, National Sanatorium Nagasaki Hospital.
pp.745-750
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104125
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Ⅰ.初めに
視覚障害は「情報障害」と言われ,文字情報の入手や処理が困難となる.同時に,周辺情況が認知できなくなるため「移動障害」も引き起こす.特に,人生半ばで視覚障害者になると,下肢が健全であるにも拘わらず,当初は屋外を一歩も歩くことができない.空間認知ができず,恐怖心が先立つためである.
しかし白杖歩行訓練士の指導で,視覚障害者は保有視覚とそれ以外の感覚とを活用することによって,屋外の移動能力を獲得することができる.それに,物理的な環境の整備と人的な対応によって視覚障害者の行動範囲はさらに拡大する.
本稿では,白杖使用者が屋外行動を円滑に行なうための環境整備と「やさしい街作り」について,視覚障害者の立場から考えてみたい.
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