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特集 生活関連動作
生活関連動作とその周辺の概念に関するー考察
Activities Parallel to Daily Living: Some Considerations about APDL, EADL and ADL
安藤 徳彦
1
Norihiko ANDO
1
1横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital.
pp.584-588
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104079
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Ⅰ.序文
従来の臨床医学では患者の救命が活動の主体であり,したがって生命の存在を脅かす原因を究明する「診断」という行為が最重要視されてきた.「診断」には臨床症状や検査所見を総括して,健康を損なう原因を探求する行為を含むが,損なわれた健康によってもたらされる生活の量的変化を表現する目的や思想を含んでいない.しかし社会的存在としての「人」の生活の向上を目標とするリハビリテーション医学では,障害の量的・質的把握を行なうことが必要不可欠であり,「評価」とはそのような行為を指す.
機能障害の原因疾患を究明するのではなく,逆にそれによってもたらされる日常生活の障害の状況を把握し,改善を試みる行為は医学的リハビリテーション特有のものであり,「日常生活動作」という概念がリハビリテーション医学に特徴的なものだとされる一つの理由はここにある.本稿ではADL(日常生活動作),APDL(生活関連動作),拡大ADLおよびQOL(quality of life)などADL周辺の生活能力評価の方法の幾つかを紹介し,それぞれの目的を検討することによって,この種の概念の再整理を試みる.今田1)はこれに関する展望を試みているが,その指摘はきわめて広範かつ的確で鋭い.
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