Japanese
English
講座 行動科学・2
行動科学の構築過程
Behavioral Sciences. 2: A Construction Process of Bahavioral Sciences
坂田 省吾
1
,
筒井 和義
1
Shogo SAKATA
1
,
Kazuyoshi TSUTSUI
1
1広島大学総合科学部人間行動研究講座
1Faculty of Integrated Arts and Sciences.
pp.549-554
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104066
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Ⅰ.初めに
先月号の「行動科学とは」では,行動科学の歴史的な側面と現在の諸科学領域との接点の観点からその概要が紹介された.アメリカでは早くから行動の科学として,治療面への応用も試みられているようであるが,日本でも,心理学者,精神医学者,生理学者らが中心になって1993年7月31日,日本行動科学学会(Japanese Association of Behavioral Science;JABS)が設立された.この学会の目的は「本学会は行動の基礎研究及び応用的研究に関心を有する者が相互の連携共同により,行動の基礎理論とその応用の進歩をはかることを目的とする.」と会則第3条に謳われている.主として実験動物を用いた行動の基礎研究と臨床的な応用研究をしている者が集まり,年2回大会を開催し情報交換を行なっている.
行動科学は人間行動の理解を目指す科学であるが,先月号の紹介にもあるようにその研究の視点の違いから巨視的分析と微視的分析とがある.ここでは脳と行動との関係から個体の行動分析に主眼をおいた,ミクロ行動科学の構築要素について紹介する.
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