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特集 高齢の整形外科的疾患患者に対する理学療法
高齢者の大腿骨頸部骨折に対する理学療法―悪条件下での対応と考え方
Physical Therapy for Elderly Patients with Orthopedic Conditions: Physical Therapy for Femoral Neck Fractures in the Elderly
猪田 邦雄
1
,
河村 守雄
1
,
木山 喬博
1
,
鈴木 善朗
2
,
金井 章
3
,
足立 明美
3
,
高須 裕子
3
,
星野 茂
3
,
千葉 晃泰
3
Kunio IDA
1
,
Morio KAWAMURA
1
,
Takahiro KIYAMA
1
,
Yoshiro SUZUKI
2
,
Akira KANAI
3
,
Akemi ADACHI
3
,
Yuko TAKASU
3
,
Shigeru HOSHINO
3
,
CHIba Akiyasu
3
1名古屋大学医療技術短期大学部理学療法学科
2名古屋大学医学部附属病院理学療法部
3蒲郡市民病院理学診療科
1Department of Physical Therapy, Nagoya University College of Medical Technology.
2Department of Physical Therapy, Nagoya University Hospital.
3Department of Physical Therapy, Gamagori City Hospital.
pp.521-531
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104061
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Ⅰ.初めに
高齢化社会においては,生き甲斐の問題とともに,自分のことが自分でできるということが長生きの前提であると言っても過言ではないと思われる.この点からみて,高齢者にとっては歩行能力の維持は重要であり,動きの範囲や能力が低下することによる心循環系への影響や精神活動への影響を考えるといっそうであろう.
高齢化社会のなかで増加しつつある大腿骨頸部骨折に対しても手術が盛んに行なわれている.その手術成績や方法については多くの関心が払われているが,退院後の歩行能力や日常動作能力,住宅環境などについては十分とは言えない.
高齢者では特有の合併症の影響やリスクを考えた上で,退院後の日常生活やQOLを含めたリハビリテーションが必要と考えられる.歩行能力と直結する高齢者の股関節周辺疾患の一つである大腿骨頸部骨折の理学療法について,医師と理学療法士とが一体となった立場から述べてみたい.
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