症例報告
広背筋移行による肘屈筋形成術後の理学療法
金井 章
1
,
岩月 宏泰
2
,
木山 喬博
2
,
千葉 晃泰
3
,
猪田 邦雄
4
1蒲郡市民病院理学診療科
2名古屋大学医療技術短期大学部
3蒲郡市民病院整形外科
4名古屋大学医療技術短期大学部
pp.355-357
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103279
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Ⅰ.初めに
腕神経叢麻痺で生じた肘屈曲障害に対して種々の筋腱移行による肘屈筋形成術が施行されている.そのうち,前腕屈筋群の起始部を中枢へ移行するSteindler法は肘関節の屈曲障害と回内拘縮とが残存しやすく,また,大胸筋を移行するClark法,Brooks-Seddon法は再建筋の筋力が得られにくい欠点がある.
一方,Schottstaedt(1955),Zancolli(1973)らによる,広背筋の中枢側と末梢側とを切り離し上腕へ移行する肘屈筋再建術(bipolar transfer)は再建筋の筋力も得やすく,肘屈曲拘縮,前腕回内拘縮も少ない1,2).
今回,広背筋移行術が施行された症例の理学療法を経験し,術後15か月経過時の再建筋の機能を筋電図学的に検討したので報告する.
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