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入門講座 診療記録・1
理学療法診療記録
Clinical Records. 1: Clinical Records in Physical Therapy
半田 健壽
1
Taketoshi HANDA
1
1東北大学医学部附属病院鳴子分院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Narugo Branch Hospital, Tohoku University School of Medicine.
pp.469-475
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103784
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Ⅰ初めに
理学療法士が社会的に責務を果たしている証として,自らの活動を記録することはたいせつである.その記録には出版物を通じた学術活動や協会活動の記録もあるが,絶対量からして診療記録が筆頭に挙げられる.しかし,診療記録は記録者にとって「めんどくさい」,「こんなものいらない」,「読んでもらえない」1)存在にもなりかねないのは,何もコ・メディカルの先輩に当たる看護の世界だけの問題ではない.理学療法白書2)では記録などの実態を報告しているが,1週間に20回以上の診療記録を行なったものはわずか26.4%に過ぎず,これは,仮りに10名の症例を担当している理学療法士の多くが1週間に1症例に付き2回以上は記録していないことを示す.また,記録・報告書作成時間も1週間に3時間以上費やすのは4分の1にすぎない.
専門職の水準を示す理学療法教育のカリキュラムにも,診療記録について明白な取り上げられ方はされていない2,3).
絶対的な供給不足のため「金の卵」的存在であった理学療法士も,これからは社会的に直価が問われる.その証明書たる診療記録を,この際根本から考えてみることも必要ではないだろうか.
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