Japanese
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講座 科学としての理学療法学・2
運動学と理学療法
Physical Therapy as Science. 2: Kinesiology and Physical Therapy
半田 健壽
1
Taketoshi HANDA
1
1東北大学医学部附属病院鳴子分院
1Narugo Branch Hospital, Tohoku University School of Medicine.
pp.115-121
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102709
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Ⅰ.はじめに
理学療法(Physical Therapy)は自然界に存在する物理的手段を生体に用いて,生理的に起こる反応(異常反応ではない)を治療に利用するものであり,用いる物理的手段によって,①水治療法,②吸入療法③光線療法,④運動療法,⑤徒手療法,⑥マッサージ,⑦電気療法,⑧超音波療法,⑨鉱泉療法などに分類される1).
運動学(kinesiology)は人間の運動を取り扱う科学で,生理学,物理学,心理学,社会学などの学問分野を統合した上に成り立つ応用の学問としてとらえられるものである2).
この章では理学療法の中で科学としての運動学がどのようにかかわっているのかを探ることを目的として,運動療法の事例を挙げ,①個々の理学療法手技の理論的根拠としてどのように運動学が用いられているのか,②治療手技の判定・評価とのかかわり合い,③治療手技の開発に運動学がどのように用いられているのか,という観点で解説してゆく.
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