理学療法臨床のコツ・35
理学療法記録記入のコツ
嶋田 誠一郎
1
Seiichirou Shimada
1
1福井大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.356-358
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106263
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理学療法に最低限具備すべき記録の要件
医師法には「医師は,診察をしたときは,遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない(医師法第24条1項)」とあり,その保存期間も5年間と明記されている.それに対して理学療法士にとっての診療記録の必要性は,その法的根拠となる理学療法士及び作業療法士法には明記されていない.同法第15条には理学療法士は診療の補助として理学療法を業として行うことができるとされており,法的には診療の補助業務としての医療法に準じた理学療法記録を具備すべきと解釈できる.
一方で,保険診療を行うには診療報酬請求算定の要件を満たす必要がある.医科点数表の解釈第7部リハビリテーション通則1)では,「各区分におけるリハビリテーションの実施に当たっては,全ての患者の機能訓練の内容の要点及び実施時刻(開始時刻と終了時刻)の記録を診療録等へ記載すること」「疾患別リハビリテーションの実施に当たっては,医師は定期的な機能検査等をもとに,その効果判定を行い,リハビリテーション実施計画を作成する必要がある.また,リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し,診療録にその要点を記載すること」と明記されている.また,リハビリテーションを実施するには医師の処方が必要であり,その記録である指示書が必要となる.また疾患別リハビリテーションを算定するにあたり,その各々の施設基準で,「定期的に担当の多職種が参加するカンファレンスが開催されている」ことが義務づけられており,その記録となるカンファレンス記録も必要となる.
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