Japanese
English
特集 障害者と生活指導
生活指導論
Guidance in Daily Life for Persons with Disabilities: Health Guidance
菊地 頌子
1
Utako KIKUCHI
1
1東京都江東区深川保健所
1Kouto-Ku Fukagawa Public Health Center of Tokyo Metropolis.
pp.146-150
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103696
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1初めに
「生活指導」という言葉は,従来学校教育の分野で使われることが多く,指導の理論も教育関係者の間での研究が活発である.私たち保健婦の場合は,「保健指導を業とする……」と保助看法で定められているとおり,業務上では保健指導という言葉を使用しているが,疾病構造が変化し,生活病と言われる成人病の時代に入つたことや,障害者や高齢者,難病患者への援助,特にデイケア事業の実践の中で,「健康」や「保健」という言葉を超えての支援,生活をまるごととらえた指導の心要性が最近強調されるようになった.
公衆衛生は本来,単なる疾病予防に止まらず,「健康で文化的な生活……」を保障する行政であると思われるが,生活に対する捉え方はまだまだ不十分で,私たちが生活指導を論ずるまでには至っていない.しかし,保健婦が行なう指導を「保健」から「生活」という考え方に切り替えることによつて,これまで保健婦に見えなかつた地域の生活実態が見え始め,問題もより具体的に把握できるようになつた.実践は手さぐりの状況であるが,私たちが経験を通して考えられる生活指導の心要性,在り方などについて以下述べてみたい.
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