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特集 終末期ケアと理学療法
在宅神経筋疾患における終末期ケアと理学療法
Terminal Care and Physical Therapy: Terminal Care and Physical Therapy for the Patient with Progressive Neuromuscular Diseases Living in the Home
増本 正太郎
1
Shoutaro MASUMOTO
1
1東京都立神経病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Neurological Hospital.
pp.827-833
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103645
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Ⅰ.初めに
近年高度化した医療技術を背景に,以前は入院ケアしか考えられなかった難治性慢性疾患患者が,一定の条件を満たせば自宅で医療処置を行ないながら療養生活を送れる時代に変貌してきている.すなわち現在では保険適用が認められている在自己酸素,在宅人工呼吸,在宅中心静脈栄養,在宅自己腹膜灌流などへの取り組みである.このうち,在宅人工呼吸療法(Home Care Mechanical Ventilation;HCMV)は進行性神経筋疾患である筋萎縮性側索硬化症(以下,ALSと略.)やDuchenne型筋ジストロフィー症(以下,DMDと略.)などに適用され,当院在宅診療の対象となっている.治療技術の向上とともに延命は図られはしたものの,入院の長期化と病室の天井を眺め続ける生活を強いられた患者にとっては朗報である.
本稿では重度の呼吸不全と運動障害とを呈するALSやDMD患者への在宅ケアを中心に取り上げ,終末期の理学療法の在りかたについて述べてみたい.
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