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入門講座 関節可動域訓練・2
膝関節周囲の損傷後の拘縮に対する関節可動域訓練―骨折,靱帯損傷も含めて
Range of Motion Exercise. 2: Range of Motion Exercise for the Contracture after the Knee Injury
伊藤 浩充
1
,
市橋 則明
2
,
有村 恵子
3
,
三浦 元
4
Hiromitsu ITOH
1
,
Noriaki ICHIHASHI
2
,
Keiko ARIMURA
3
,
Hajime MIURA
4
1神戸大学医学部附属病院理学療法部
2神戸大学医療技術短期大学部理学療法学科
3舞子台病院リハビリテーション科
4甲南病院理学診療科
1Department of Physical Therapy, Kobe University Hospital.
2School of Allied Medical Sciences, Kobe University.
3Department of Rehabilitation, Maikodai Hospital.
4Department of Physical Therapy, Konan Hospital.
pp.535-541
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103564
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Ⅰ.初めに
関節可動域の維持・増大のための関節可動域運動や伸張運動は,解剖学や関節運動学に基づいて行なう必要性が指摘され,その詳しい理論やテクニックに関する文献も多い.しかし,拘縮の大きな原因である軟部結合組織の力学的特性や運動が軟部結合組織の力学的特性に与える影響などについてはあまり述べられていない.関節可動域を改善するためには,関節運動学の知識だけでなく,軟部結合組織がどのような力学的特性をもち,固定や不動,関節可動域運動や伸張運動によってどのように影響を受けるかについての知識が必要である.
本稿では,膝関節の解剖学・運動学,そしてそれらに基づいた膝関節の基本的な動かしかたについては,他書を参考にしていただくことにして,軟部結合組織が関節可動域に与える影響について文献的に考察し,その観点から膝関節可動域改善のための運動をどのような指標に基づいて行えばよいか,症例を呈示して考察してみたい.
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