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特集 整形外科
二分脊椎のリハビリテーションと機能再建術
Orthopaedics: Rehabilitation and Reconstructive surgery for Myelomeningocele
陣内 一保
1
Kazuho JINNAI
1
1神奈川県立こども医療センター理学診療科
1Department of Rehabilitation, Kanagawa Children's Medical Center.
pp.379-384
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103526
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Ⅰ.初めに:二分脊椎の概念,臨床像,分類
後正中線上における骨(脊椎骨),神経(脊髄),軟部組織などの先天的癒合不全の状態をspinal dysraphismと総称する.二分脊椎(spina bifida)はこの範疇に属する先天異常である.
臨床像としては
①腫瘤(脊髄髄膜瘤または髄膜瘤)
②水頭症
③運動麻痺
④知覚麻痺
⑤膀胱直腸障害
が挙げられる.このうち②~⑤の4項目を,二分脊椎の四大トラブルと称する.
脊髄髄膜瘤は,表面が正常な皮膚に覆われたもの(閉鎖性)と表面の皮膚が欠損して髄膜が露出したもの(開放性)との二つに大別される.
二分脊椎のもっとも典型的なものは,開放性の脊髄髄膜瘤を伴う二分脊椎であり,リハビリテーションなどの領域で「二分脊椎」と言えばこの型を意味することが多い.
脊髄髄膜瘤内に脱出した脊髄神経は形成不全を伴い,神経機能が低下し,上記の③,④⑤を招く.
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