報告
養護・訓練教諭採用における諸問題
佐藤 秀紀
1
1東京都立町田養護学校
pp.345-348
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103518
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Ⅰ.初めに
養護学校に就学する肢体不自由児の障害が多様化し,重度・重複化してくるに伴って,教師の役割も変化してきているように思われる.教員養成大学で養成された専門職としての教諭だけで対応しきれるかということが問題となろう.学校で児童・生徒の教育指導を行なうことのできるのは,教諭の資格をもっている者だけである.養護・訓練の指導に関しても現行では,理学療法士・作業療法士などの医療職の資格のみで一般教諭と対等な立場での養護学校勤務は法律上不可能である(教育職員免許法第3条3).
しかし,1973年度から発足をみた養護・訓練担当教諭の認定試験制度の結果,22歳以上で大学入学資格が有る者は養護学校養護訓練教諭試験の受験が可能となり,養護学校において養護・訓練担当としての勤務が可能となっている,ところが,1973年度より19年を経過したが,養護学校養護・訓練担当(肢体不自由)合格者は,のべ322名に過ぎない.なお1991年度の(肢体不自由)合格者は11名(合格率10.1%)で,受験者数,合格者数ともに横這い傾向である.特に医学関係の教育界への参加は未だ少なく,全国的にみても理学療法士22名(1983),作業療法士11名(1984)にすぎない.
そこで今回,肢体不自由教育の養護・訓練担当の専門教員の採用に関し,現状と問題点,さらにはその問題解決についての私見を述べてみたい.
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