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特集 脳卒中
(超)高齢者の日常生活動作―85歳以上の脳卒中患者の日常生活動作の特性について
Stroke: Activities of Daily Living by very Old Stroke Patients over 85 Years of Age
永原 久栄
1
Hisae NAGAHARA
1
1浴風会病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, The Yokufukai Geriatric Hospital.
pp.14-20
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103424
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Ⅰ.初めに
脳卒中患者の日常生活動作(以下,ADLと略.)をみるとき,高齢は,このこと自体が問題点であり,ゴール設定や,ADLを規制する要因とされてきた.高齢者であるほど,脳卒中の病態や障害の程度に加えて,生理的老化による機能低下の要因も大きくなるから,高齢は,確かにマイナスの問題点であろう.
しかし,高齢脳卒中患者に多く接し,高齢脳卒中のADLに改善要素を経験してみると,高齢をすべてマイナスの問題点とみず,改善要素を含めた,高齢脳卒中のADLの特性を把握するニーズも出てくる.高齢脳卒中の特性を生かした適切なADL援助は,増加傾向にある高齢脳卒中のリハビリテーション目標に積極的意味をもたせる.
80歳以上の高齢脳卒中患者のADLに関した報告は少ない.少ない中で,渡辺は1)80歳代脳卒中患者の一般的リハビリテーション目標に,屋内ADLの自立,また渡辺2)は90歳以上の場合,ベッド上ADLの確保と述べている.
筆者は,老人一般病院で,入院患者平均年齢80.5歳を受けて,高齢者の理学療法に携わることが多い.今回,高齢・超高齢脳卒中のADLについて,実践の中から調査し,その特性に迫ってみたので報告する.
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