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特集 整形外科疾患の理学療法
大腿骨頸部骨折患者の退院時ゴール設定
Physical Therapy in Orthopedic Diseases: Goal setting for the Discharge in the femoral neck fracture patients
吉成 俊二
1
,
上原 結花
1
,
伊藤 真奈美
2
Syunji YOSHINARI
1
,
Yuka UEHARA
1
,
Manami ITOH
2
1国立神戸病院理学診療科
2Kanuzu Central Hospital
1Department of Physical Therapy, Kobe National Hospital.
2Department of Physiotherapy, Kanuzu Central Hospital.
pp.325-329
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103267
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Ⅰ.初めに
高齢化社会が急速に進む我が国では,老人に多い大腿骨頸部骨折が運動器疾患による寝たきり老人の中で多くを占めている.近年,本疾患では積極的な手術的治療が行なわれ,早期訓練,早期離床を計り,術後合併症の予防や,寝たきり防止に努められている1~3).しかし,高齢者では術前からの合併症も多くみられ,理学療法施行の際に難渋する場合がある.また,再獲得された歩行能力やADL動作が退院後維持されずしだいに低下し,寝たきりになる症例も少なくない.
今回われわれは,大腿骨頸部骨折患者の退院後の追跡調査を行ない,若干の知見を得た.そして,それらを考慮した術前,術後の理学療法プログラムとその注意点を述べるとともに,退院時のゴール設定について報告する.
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