書評
―Diana M. Bailey(著)朝倉隆司(監訳)―保健・医療のための研究法入門―発想から発表まで
半田 健壽
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1東北大学医学部附属病院中央リハビリテーション部
pp.409
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105818
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かれこれ30年になろうか?東京の片田舎清瀬では,理学療法教育を専門学校から大学教育にするための運動,通称「4年制運動」が展開されていた.世の中変わり,専門学校から短期大学へ,そして4年制大学,更に大学院での教育も受講可能なようになった.現在,これらの養成校は並存状態であり,いずれの学校でも知識・技術を伝承するための教育は共通して受けられる.では,大学・大学院教育に求められるのは何なのだ!一つに研究がある.研究活動を通じ,自ら研鑽し,知識・技術・倫理等を論理的に極めてゆくという行動様式を獲得する機会を与えられることが意味ある点である.
教育が充実するに従って,煌く研究成果もみうけるようになってきた.理学療法士学会の発表演題も4桁になろうとしているし,地方で開催される学会も含めれば2,000題に達するであろう.発表演題,いわば研究成果から捉えてみると,我が国の理学療法士の研究の特徴を幾つか垣間見ることができる.疑問点を日頃から持つことは多くの理学療法士が経験し,研究の必要性を強く感じ取っている.そのニーズや発想をあたため,デザインし,展開してゆく過程で今一歩の「本当に惜しい」演題が多い.
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