とびら
『理学療法ジャーナル』の船出によせて
福屋 靖子
1
1筑波大学社会医学系
pp.3
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102673
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故砂原茂一先生を編集委員長として発刊された『理学療法と作業療法』が,“理学療法”と“作業療法”とに分かれて,それぞれ独立して歩むことになった.相互の支え合いがあってやっと一人前に育ってきた22年の経緯を振り返ってみると,我が国における新しい職業として,量的にも質的にも,当初の予想をはるかに凌(しの)ぐ発展をみせていると思う.第1巻第1号から第22巻第12号までの226冊の『理学療法と作業療法』は,その足跡を鮮明に残してくれただけではなく,職業人としての道標(しるべ)として重要な役割を担ってきたものと信じている.
分離独立した今後の方向性としては,真の専門誌を目指すことにあると思う.今までは,相互の蓑(みの)に隠れて庇(かば)い合っていた弱点を明らかにし,ふらつきながらも自分の足で踏み出すしかない.正直なところ,『理学療法ジャーナル』第1巻の企画編集に当たってみて,いかに依存し合っていたかを実感した次第である.
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