理学療法臨床のコツ・32
不定愁訴の多い患者への対応のコツ
富樫 誠二
1
Seiji Togashi
1
1大阪河﨑リハビリテーション大学リハビリテーション学科
pp.926-928
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102603
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はじめに
理学療法士なら誰でも,理学療法を行う上で患者との信頼関係を構築することが重要であることはよく知っている.しかし,そのことを理解していても,実際に臨床の場で患者の訴えが不定で,しかもその訴えがどうしても納得できない場合,やりにくいなぁと感じ,対応に戸惑うことがある.
一般的に,患者の愁訴に一貫性がなく,その身体愁訴を器質的な面で理解できない場合に不定愁訴と判断される.この状況は,患者との信頼関係構築にも影響を及ぼしかねない.臨床の中で,患者対応に苦渋するケースが多々あるが,不定愁訴を連発するケースもその一つである.対応の仕方によってはさらに対応を困難にすることがある.
こうしたケースでは,対応の仕方がその後の理学療法に影響を与えるため,十分な配慮が必要である.そこで本稿では,不定愁訴の多い患者への対応のコツについて,筆者の経験を踏まえ述べる.
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