臨床医のプライマリ・ケア 症候論の整理
不定の愁訴
池田 友信
1
,
藤野 敏則
1
Tomonobu Ikeda
1
,
Toshinori Fujino
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室
pp.891-896
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206731
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
"不定の愁訴"あるいは"不定愁訴症候群"という語はわが国ではしばしば用いられているが,これらの用語が今日諸外国でも使用されているのかを知るため,いくつかの対訳語を想定し,DICST On-Line Information System (コンピューターによる文献検索)のMEDLINEファイルを検索してみた。その結果,475,000件の文献名のなかからは,これに直接対応した用語を検出することはできなかった。したがって,"不定愁訴"は今日なお国際的に繁用されている用語とはいえない。
"不定愁訴"は,阿部1)により,明らかに器質的疾患が見いだされずに,全身性,筋神経系,循環器系,消化器系の多彩な愁訴を示す一群の患者に対して提唱された用語であり,その症状は自律神経失調様症状を主体としている。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.