書評
―田中 正(監訳)・金谷文則(訳者代表)―「AO法骨折治療Hand and Wrist[英語版DVD-ROM(Win版)付]」
岩本 幸英
1
1九大・整形外科学
pp.172
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102574
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この度,手および手関節の骨折治療に関する手術手技と,最新のAO固定法を紹介した『AO法骨折治療Hand and Wrist』が出版された.金谷文則先生,別府諸兄先生,吉田健治先生の翻訳,田中正先生の監訳によるものであり,わが国の代表的なHand Surgeonが,本書の内容を広く伝えようとしている意気込みが伝わってくる.自分が研修医の頃,教科書を読んでAO法の原理を理解し,胸を高鳴らせて骨折の手術に臨んだことを思い出しながら本書に目を通してみた.
本書の特徴は,豊富なカラー写真や図を用い,手指骨,手根骨,橈骨遠位端の個々の骨折について,術前計画,手術進入法,AOインプラントを用いた固定法,後療法を簡潔かつ明瞭に記載している点にある.そのため,今から手の外科を学ぶ若い整形外科医にとって,治療のポイントを要領よく頭に入れることができる.また,まさに“待ったなし”の骨折治療の現場で,正しい治療法を短時間のうちに確認する上でも有用である.
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