書評
―鈴木重行 編著,平野幸伸 著―「ID触診術」
柳澤 健
1
1首都大学東京
pp.910
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102523
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1999年に「IDストレッチング」が刊行されて6年余りが経過した.「IDストレッチング」は疼痛抑制や筋緊張低下・関節可動域改善を目的に日本で開発された手技である.この手技の開発者である名古屋大学大学院の鈴木重行教授が,同手技の講演に全国を飛び回っているなかで,「正確なストレッチングを行うには,まずセラピストが個々の筋を正確に触診できることが基本になる」ということを実感したのであろう.このような必然性から本書「ID触診術」が上梓されたと考えられる.
疼痛抑制やストレッチングを行うには,まず個々の筋を確実に触診できる基本に加え,軟部組織の機能的変化に対する治療では,単に筋触診ができるだけでなく治療部位が同定できる触診術が求められる.言い換えると,触診時の生体反応を触診指で感知しつつ,治療すべき部位とそれ以外の部位とを個別に(ID:individual)認知することが必要とされる.
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