理学療法臨床のコツ・28
脳血管障害に対する理学療法のコツ―拘縮を予防するコツ
萩原 章由
1
Akiyoshi Hagiwara
1
1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部
pp.542-544
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102319
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はじめに
病院でリハビリテーションを受けている対象者に行った実態調査1)では,そのほとんどに関節可動域(ROM)制限が認められたとあり,特に体幹,股関節,頸部の順に多く,年齢が高いほど,発症後の期間が長いほど,そして動作能力が低いほど制限角度が大きいと報告している(表1).脳血管障害では運動麻痺や異常筋緊張,特異的な姿勢や動作,活動の狭小化により,病期を問わず拘縮を生じてしまうことが理解できる.つまり脳血管障害による片麻痺者には,何らかの拘縮が生じてしまうという考えを持ったうえで,その対応を常に考えておく必要があると言える.しかしすべてのROM制限を拘縮と考えて治療対象にするのは,時間的制約からも得策とは言えない.そこで本稿では,拘縮を予防するコツとしていくつかの私見を述べる.
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