講座 自覚症状別フィジカルアセスメント・4
呼吸循環器系
野村 卓生
1
,
浅田 史成
2
,
習田 龍
3
,
久保田 昌詞
2
Takuo Nomura
1
1大阪保健医療大学理学療法学専攻
2大阪労災病院勤労者予防医療センター
3大阪労災病院循環器内科
pp.1097-1106
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101823
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「動悸がする」
1.重要性の認識
動悸(心悸亢進とも言う)とは,「心臓の拍動を自覚する」ことであり,多くは心拍動に一致して胸部の不快感を伴うのが特徴である.健常者でも,運動後や左側臥位で動悸が認められることがあるが,日常生活のなかで自己の心拍を自覚することはほとんどない.動悸は疾病の重症度と相関するものではなく個人の感受性の問題が大きいため,不整脈など特定の疾患を意味するものとは限らない.すなわち,患者の訴えの程度は基礎疾患の重篤さを必ずしも反映するものではない.
問題のない動悸と緊急的な対応を要する動悸を鑑別することが,理学療法のリスク管理として重要である.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.