臨床実習サブノート 臨床実習に不可欠な基本的技能・9
物理療法の臨床実践
村永 信吾
1
,
伊能 幸雄
1
,
間島 和志
1
Shingo Muranaga
1
1亀田メディカルセンターリハビリテーション事業管理部
pp.1107-1112
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101824
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はじめに
物理療法とは,温熱,寒冷,水,圧力,音波,電磁波,電流などの物理的作用を患者に適用する治療法である.代表的な物理療法の分類と主な治療アプローチを示す(表1).
世界理学療法連盟(WCPT,1982年)によれば,「理学療法は,身体的治療の技術および科学であり,運動療法,教育指導,温熱,寒冷,光線,水,マッサージおよび電気を治療手段とする.治療目的の中に痛みの緩和,循環の改善,障害(disability)の予防と改善,力,可動性および協調性の最大回復がある.」と記されている.物理療法は,生体に加える力やエネルギーが,出力・刺激波形・治療時間などにより規定しやすく,これらの治療パラメータを設定したプロトコールが確立すれば,運動療法とともに理学療法の有効な治療のひとつとなる.物理的刺激に対する生体反応とその効果に関しての研究は古くから行われており,昨今の科学的根拠に基づく医療(evidence based medicine:EBM)を重視する流れの中で,われわれはそれら最新の知見をふまえた上で,適切に臨床へ応用していかなければならない.
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