ひろば
動物の治療と動物による癒しとケア
奈良 勲
1
Isao Nara
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.994
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101802
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- 文献概要
人間は動物の範疇に入るが,それ以外の動物の治療および動物による癒しとケア(介助・介護・世話)については,一般人はもとより専門職の間でも,かならずしも正確に理解されていないような印象を受ける.主に家畜の病気や外傷の治療にあたるのは獣医(日本では1984年に修士課程積み上げ方式で6年制に移行)であり,近年では競走馬,ぺット,動物園や野生の動物など,治療の対象範囲は拡大している.
アメリカ理学療法協会の専門領域には動物の理学療法も含まれており,獣医との協働のもと各種動物の治療に関与している理学療法士もいる.そのことが最初に日本で紹介されたのは私が大会長を務めた1999年のWCPT学術大会(横浜)で,この時「Physical Therapy for Animals」というテーマでアメリカの理学療法士に講演を依頼したが,最近,この領域の発展が目覚ましいと聞く.日本にも,動物の治療に関与している理学療法士は数名いると聞いている.本誌44巻5号にも「わが国における動物理学療法の現状と今後の課題」と題した紹介論文が掲載されている.内容は動物の治療(理学療法)についてであり,著者自身の実践に基づいて紹介されている.
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