特集 未熟児の看護
座談会
未熟児をめぐる医療チームのあり方
島田 信宏
1
,
村田 文也
2
,
佐野 弥子
3
,
渡辺 よしえ
4
1北里大学病院産婦人科
2都立母子保健院
3聖母病院新生児室
4東京大学病院小児科
pp.10-21
発行日 1972年9月1日
Published Date 1972/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204401
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未熟児の体温をどう守るか
島田 ここ数年来,未熟児の保育ということが急速に進歩を遂げまして,新しいことがたくさんできています。そこで,未熟育の保育を取り上げまして「未熟児をめぐる医療チームのあり方」という主題で,みなさんにいろいろお話をお聞きしようというわけです。
まず最初に未熟児の出生時の問題について考えてみたいと思います。 いままでは産科の分娩室のチームは,ただこれは早産であるとか,あるいは満期産でも小さい子どもが生まれる。未熟児のお産であるということで,未熟児が生まれると予測されている分娩でありながら,ふつうの分娩とあまり大差ない分娩の様式をとってきたわけです。それに対して,最近は,こういうふうにしたら,もっと未熟児の予後がよくなるんじゃないかということが検討されているわけです。その1つに,未熟児の体温を守るということがあげられています。とにかく小さい子どもは体温を上げて,生後の体温のロスを少なくしようということが言われてきているわけです。
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