特集 新人教育
新人教育の工夫―私はこう考える
クリニカル・リーズニング能力向上の工夫
新保 松雄
1
Matsuo Shimbo
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院リハビリテーション室
pp.391
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101664
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●はじめに
ボバース概念の創始者であるボバース夫妻は,脳損傷患者に対して実践的に考えてチャレンジするセラピストの育成を実践していた.これは,言い換えると,セラピストのクリニカル・リーズニング能力と専門家マインドの蓄積・向上であり,臨床に携わる者に共通した重要なゴールの1つである.専門家としての出発点にある新人と,その教育の責任を担う指導者双方にとって重要な課題である.
新人セラピストが将来にわたって専門家として自ら研鑽を積んでいくためには,専門的知識の蓄積と臨床実践を通して指導が行われることが最良だと思われる.一方,指導者はこの新人との相互の関係から,自己の課題をみつけて問題解決をしていくことができるよい機会となる.本稿では,筆者が新人教育においてクリニカル・リーズニング能力の向上を目指し,試行錯誤しながら工夫していることを紹介する.
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