特集 新人教育
新人教育のマネジメントスキルを高める工夫
中島 隆興
1
Takaoki Nakashima
1
1富山県立中央病院リハビリテーション科
pp.381-386
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101659
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はじめに
年間1万人を超える理学療法士が誕生する大量養成時代を迎え,職能団体としての質,理学療法そのものの質を担保するためには,卒後教育のなかでも,導入の位置にあたる「新人教育」が重要となることはいうまでもない.
私たち理学療法士における「新人」を取り巻く教育環境は,職場内と職場外の大きく2つに大別できる.職場内では先輩の姿をみて学ぶ形を基本として,それぞれ独自の工夫や裁量で教育が行われている現状がある.また,職場外では社団法人日本理学療法士協会(以下,協会)の生涯学習システムが中核として構築されている.
組織が大規模化し,環境が多様化するなかでは,マネジメントの重要性が高まる.マネジメントとは,「一定の目標を効果的に実現するために,人的・物的諸要素を適切に結合し,その運営を操作・調整する方法」をいう.
表1にマネジメントスキルの代表である5W1Hを用いた新人教育の定義(構造)を示す.本稿では,マネジメントについて「人を活かし,育てるための操作・調整」という意味で捉えていただきたい.
新人教育のマネジメントにおいては,新人のみならず,指導者・管理者教育の必要性も高まってきている.「教えられる側」と「教える側」の相互啓発と自発学習を促し,より効果的な新人教育とするためにはマネジメントスキルを高める工夫が必要と考える.
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