Japanese
English
症例報告
上腕骨外科頸骨折8年後に全人工肩関節置換術を受けた症例:挙上動作に対する集中的アプローチ
A case report of total shoulder arthroplasty for the patient of 8 year-before surgical neck fracture of the humerus:an intensive trial for active shoulder elevation.
賀好 宏明
1
,
舌間 秀雄
1
,
佐伯 覚
2
,
蜂須賀 研二
2
Hiroaki Kakou
1
1産業医科大学病院リハビリテーション部
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
全人工肩関節置換術
,
リハビリテーション
,
挙上
Keyword:
全人工肩関節置換術
,
リハビリテーション
,
挙上
pp.137-141
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101605
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要旨:転落による上腕骨外科頸骨折後に骨頭壊死を来し,受傷8年後に全人工肩関節置換術を受けた症例を担当した.手術前の状態では三角筋の重度委縮を認め,自動での肩挙上が90°と不良であった.手術時に小結節の骨接合術を受けたため,当初は患部外トレーニングを主体に運動療法を行った.小結節の仮骨が確認されてからは,肩挙上に対する集中的な運動療法を開始した.方法は,筋力強化時の姿勢を筋力回復に合わせ除重力位から抗重力位へ漸増させ,かつスリングを用いた自己介助下で行った.1日の運動時間は4~5時間を確保した.ハンドヘルドダイナモメーターによる筋力測定では肩周囲筋の改善を認め,特に屈曲筋力は6週間の経過で17.6Nから79.2Nへと著明に回復し,挙上角度は120°まで可能となった.重度の筋力低下を有する全人工肩関節置換術後の肩挙上動作の回復には,少量頻回の運動が有効であることが示唆された.
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