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症例報告
下腿三頭筋の遠心性運動が奏効した慢性アキレス腱炎の1症例:競技レベルの高い柔道選手の1症例
Eccentric calf muscle training in a patient with chronic Achilles tendinosis:Judo player with high game level.
渡邉 晃久
1
,
西上 智彦
2
,
町田 博久
3
Akihisa Watanabe
1
1町田整形外科理学療法室
2高知大学医学部附属病院リハビリテーション部
3町田整形外科
キーワード:
アキレス腱炎
,
遠心性運動
,
痛み
Keyword:
アキレス腱炎
,
遠心性運動
,
痛み
pp.163-166
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101612
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要旨:重度の慢性アキレス腱炎により歩行困難となった症例に対して,下腿三頭筋の遠心性運動を行った.症例は20歳代男性,柔道選手である.診断名は左アキレス腱炎で,2年前から痛みが認められた.当院へ入院する1か月前から痛みのため歩行困難となり,柔道競技の中止を余儀なくされ,就業にも支障を来したため当院を受診し,入院となった.痛みの程度はNRS(numerical rating scale)にて8であった.本症例に対して左下腿三頭筋の遠心性運動を行った結果,入院から5週でNRSは3に,18週でNRSは0に改善した.柔道競技への復帰は29週で可能となり,その後,痛みの再発も認めていない.遠心性運動は腱の修復に好影響を及ぼす可能性が報告されていることから,本症例でも,遠心性運動により腱の修復強度が増加し,痛みが軽減したと考えられた.以上のように,歩行が困難な重度の慢性アキレス腱炎例に対して下腿三頭筋の遠心性運動は有効であると思われる.
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