入門講座 理学療法に必要な臨床動作分析・1【新連載】
基本動作における正常動作と異常動作の分析視点の違い
高橋 正明
1
,
関屋 曻
2
,
浅田 晴美
1
Takahashi Masaaki
1
1群馬パース大学保健科学部
2昭和大学保健医療学部
pp.917-923
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101510
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Q1.「臨床動作分析」という用語について教えてください.何か特別な意味が込められているのですか?
臨床動作分析とは,「治療対象者の動作を観察によって分析する」という,臨床でごく普通に行われている動作分析を意味する用語である.「動作分析」だけではあまりに漠然としているため,あえて「臨床」とことわることで範囲を絞っている.また,理学療法士の間で使われる場合はもう少し具体的で,主として基本動作が対象であり,正常動作ではなく異常動作を分析するのであって,原則的に観察を中心とし,計測機器や映像機器などは用いずに行う.そして,分析の目的は種々の評価の一環であって,研究目的ではないことなどが意識されている.
近年,理学療法の対象がスポーツ傷害へと広がり,その競技に特有の投げる,打つ,蹴るなどの動作が分析対象となっているが,本来の基本動作(移動動作)障害とは分析視点が異なるため,本稿では言及しない.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.